秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 
 恵麻を寝かしつけた私がリビングに戻ると、相良さんの姿はない。

 お風呂に行ったのかな。

 話の続きをしようとしていた私がどうしようと頭を悩ませていると、リビングのドアが開く音がして、ちょうど相良さんが帰ってきた。

 彼はやはりお風呂に入っていたらしく、上は黒のパーカー、下はグレーのスウェットに着替えていた。ソファーのそばに突っ立っていた私を見つけた相良さんが、こてんと首を傾けて口もとを綻ばせる。

「おかえり。恵麻ちゃんは寝た?」

 私がうなずくと、こちらにやってきた彼が、そのまま私の手を引いてソファーに座らせる。そして、自分もそのすぐ隣に腰を下ろした。

 今日も……。

 相良さんはお風呂から上がると、こうして毎晩必ずくつろぎのひとときに私を参加させた。それほど多くを話すわけでもない。ただゆっくりと過ごし、同じ時間を共有していた。
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