秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 私は隣にいるふたりを見上げる。

 抱きかかえられている恵麻は、上機嫌に相良さんに話しかけていた。

 本当に相良さんが好きなんだな。

 あっという間に相良さんに懐いていたけれど、彼といるときの恵麻は心から楽しそうだ。母親以外の甘えられる存在。私の母は入院しているし、恵麻にとって相良さんがそうなりつつあるのだろう。

 それも男性と生活した経験がない恵麻にとっては、より特別なのだと思う。

 それでも離れないといけない。だからこそ今日は、恵麻にいい思い出を残してあげられるといいな。

 愛おしい我が子の嬉しそうな顔を横目に、私は今日ができるだけ良い一日になるよう侘しさをごまかしながら笑顔を作った。
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