秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 好き。苦しいほどに相良さんが好きだ。どうかこの想いが伝わらないでほしい。

 そう思うのに手を離せない。四年前のあの夜と同じだった。

 相良さんはどうして私に触れるのだろう。温もりを知るたびに、彼がわからなくなる。

 私は手から腕と辿り、顔を上げる。私の視線に気がついた相良さんは、「んっ?」と慈しむような眼差しをこちらに向けた。胸が熱く張り裂けそうになる。

 やはり相良さんへの想いを消すのは無理だと改めて実感した。だから私は、一生この想いとともに生きていくと決めたのだ。

 たとえ彼の本心がどんなものでも、私はきっと相良さんを嫌いになんてなれない。私たちの知っている相良さんは、今、目の前にいる彼がすべてだから。

 いつか相良さんも誰かと結婚して、子供を持つ日がくるよね。同じ会社にいたら噂だって入ってくるはずだ。そうなったときは私、平然と聞けるのかな。

 私は困ったような表情を浮かべながら、無理やり考えを巡らせた。
< 126 / 213 >

この作品をシェア

pagetop