秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 
「落ち着いた?」

 恵麻をベッドに寝かせ、ソファーに座り放心状態だった私の隣に、相良さんが腰掛ける。

 そう尋ねる彼の手にはマグカップがふたつあって、彼はそのひとつをテーブルの私の前へ置いてくれた。

「ありがとうございます。さっきはすみませんでした……」

 うつむき加減に言う私の頭を、相良さんがそっと撫でる。

「謝らなくていい。それよりもう大丈夫なのか? 今日はもう休んだほうが――」

 その優しさに触れ、顔をゆがめる私に気づいた彼が、途中で口をつぐむ。早く取り繕わなければと思うのに、途方もない悲しみに襲われ、身体が言うことを聞いてくれなかった。

「天音? どうした。やっぱりなにかあるだろう。話してくれないか」

 相良さんは眉根を寄せ、ひたむきな表情を浮かべる。
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