秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「たくさん待った。今すぐ君がほしくて堪らないんだ。許してくれるか?」

 その艶気を含んだ低い声に、私の頬がかあっと熱を持つ。

 四年前の記憶が頭を過った。

 あの夜も私たちは、強烈に惹かれ合い、想いのままに求め、求められ、抱き合った。

 鼓動が高鳴り、私はやはりこの腕に抱きしめてほしかったのだと実感する。

「あなたのそばにいます。だから、離さないでください」

 私が消え入りそうな声で言うと、相良さんがふっと小さく笑みをこぼすのが聞こえてきた。

 私は寝室に運ばれ、ベッドに下ろされる。初めて彼の寝室に足を踏み入れた私は、緊張で我に返って相良さんに背を向けるように身体ごと横を向いた。私の上に跨る相良さんが、「天音」と私を呼ぶ。

 恐る恐る彼のほうを向くと、私の目が相良さんを映す前に唇に唇が押し当てられた。触れるだけのキスを繰り返し、次第に貪るように唇を食まれる。

 その間中も相良さんの手が頭を撫でてくれていて、私は愛おしさに胸が焦がれた。
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