秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「私が目を覚ますまでどこにも行かないで」

 呼吸の合間に、私は涙声で言う。私の顔を覗き込んだ相良さんは、「約束する。必ずそばにいるから」と抱きしめてくれた。

「絶対に君を置いてどこかへ行ったりしない。君が嫌だと言っても、もう離してあげられそうにないんだ」

 甘くささやかれる。

 切なさに胸が締めつけられ、私は相良さんにしがみついた。再び唇が重なり合い、彼の手が私の身体をなぞる。背筋にぞくりと快感が走り、私は小さく跳ね上がった。

 伝えても伝えきれないほどに愛している。

 行為の間、私は相良さんの存在をたしかめるように何度も名前を呼んだ。そのたびに彼もキスをして応えてくれる。

 シーツが肌を擦れ、私たちは互いの体温が溶けあうようにひとつになった。離れていた時間を埋めるように、何度も求めあう。

 あまりに幸せで、これが私の夢でないのを心から願った。
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