秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
* * *
私はかれこれ数分前から、『ポピーウィズ株式会社』の本社ビルの最上階にある、飴色のドアの前に立ち尽していた。
ニスが光るドアには重厚感があり、廊下に敷かれたカーペットや天井の照明などもとても高級そう。見渡す限り落ち着いた雰囲気のこのフロアは、明るい色で統一されたほかのフロアとは別の場所のように感じられた。
すっかり萎縮した私は、飴色のドアの隣につけられた、【副社長室】と書かれている金色のプレートを上目遣いに見つめる。
副社長室って、相良さんがいる部屋だよね……。どうして私が呼ばれたのだろう。
相良さんと想いをたしかめあってから、一週間ほどが経っていた。
結局今まで通り相良さんのマンションで暮らすことになった私は、相良さんの勧めもあり、このまま『ポピーウィズ株式会社』で働き続けることにした。