秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 驚愕して目を何度も瞬かせる私のところへやってきた相良さんが、私の腰に手を添えて男性のもとへ誘導した。

 応接セットの横を通り過ぎ、相良さんは男性の前で足を止める。未だ理解が追いつかない私は、相良さんのお父様だという男性に視線を向けた。

 そばで見ると、男性はたしかに相良さんとよく似ていた。

 背は相良さんのほうが少し高い。しかし、二重まぶたの大きな目や、日本人離れした筋の綺麗に通った鼻などもそう。お父様はオールバックにしているけれど、相良さんの艶のあるさらさらとした黒髪もお父様譲りだったのだとわかった。

 なによりまとう穏やかな佇まいが同じで、こうして並んでいると言われなくても親子だと気づいたと思う。

 でも、どうして相良さんのお父様が私を……?

 耐えきれず「あの……」と話し出す私に、相良さんのお父様が口を開いた。
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