秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない

 * * *

「お母さん。ここへきてもうすぐ一週間だけど、どう? 落ち着いたかな」

 私は持ってきたバスソープでできたフラワーアレンジメントのバスケットをテーブルに置き、病室のベッドの上で横たわる母に問いかけた。

「すごくよくしてもらってる。相良さんのおかげよ。本当にありがとう」

 母は陽の差し込む窓のほうを眺め、眩しそうに薄く目を細める。

 以前より幾分か体調の良さそうな母の顔を見て、私も胸を撫で下ろした。

 私たちが家族として新たに歩き出してから、二週間以上が経ったある日。私は朝から大和さんと恵麻と三人で、転院したばかりの母の病室を訪れていた。

 以前三人で母のところへ行こうと話していたすぐあと、大和さんはひとりで母に会いにきてくれたらしい。
< 187 / 213 >

この作品をシェア

pagetop