秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
* * *
「お母さん。ここへきてもうすぐ一週間だけど、どう? 落ち着いたかな」
私は持ってきたバスソープでできたフラワーアレンジメントのバスケットをテーブルに置き、病室のベッドの上で横たわる母に問いかけた。
「すごくよくしてもらってる。相良さんのおかげよ。本当にありがとう」
母は陽の差し込む窓のほうを眺め、眩しそうに薄く目を細める。
以前より幾分か体調の良さそうな母の顔を見て、私も胸を撫で下ろした。
私たちが家族として新たに歩き出してから、二週間以上が経ったある日。私は朝から大和さんと恵麻と三人で、転院したばかりの母の病室を訪れていた。
以前三人で母のところへ行こうと話していたすぐあと、大和さんはひとりで母に会いにきてくれたらしい。