秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 三人は子供の頃からの幼なじみで、桐斗さんはずっと泉さんが好きだったらしい。

 泉さんの家の病院を継ぐために医師を目指したなんてとても素敵だ。それに、なにもかも背負わせたくないという泉さんの気持ちもわかる。

 そして、大和さんが母に良い医師を探してくれていたときも、桐斗さんが協力してくれたと聞いた。

 私は自分の知らないところでたくさんの人が動いていたと知り、改めて有り難さに胸を打たれたのだった。

「いらっしゃい」

 中庭を望められるようになっている広々とした居間に案内されると、桐斗さんと桜介くんが待ってくれていた。

 畳の匂いが鼻の奥まで染み込み、心が和む。

 はじめて会う桐斗さんは、大和さんの髪を短くしただけというくらいよく似ていて、まるで双子のようで驚いた。

 私が桐斗さんに挨拶をしているさなか、恵麻はすでに桜介くんとふたりで楽しそうに話していた。
< 202 / 213 >

この作品をシェア

pagetop