秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「嫌ではないんですけど、先にシャワーを浴びさせてください……」

 自分で言っていていたたまれなくなった私は、急激に火照った顔を両手で覆った。大和さんがふっと声を立てて笑っているのが聞こえてくる。

 途方もなく恥ずかしくて、私は手のひらの内側で唇を噛みしめた。

「じゃあ一緒に入ろうか」

「えっ!? それは……」

 跳ねるように顔を上げた私の唇を、大和さんが奪う。彼の前髪がふわりと私の顔にかかった。唇はしばらく重なり合い、大和さんがゆっくりと離れていく。

 彼の長いまつ毛が視線の先で揺れた。目が合うと、私の胸がどきりと音を立てる。

 すでに倒れてしまいそうなくらい鼓動は高鳴っていた。
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