秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 恥ずかしくて、愛おしくて、気が変になりそうだった。

 私は涙目になり、ジトリと大和さんを見上げる。一瞬驚いたように目を見開いた彼が、困ったように苦笑した。

「本当は待ってあげるつもりだったんだけど、無理だな。そんな顔されたら待てない。今すぐ天音のすべてがほしい」

 そう言われ、早足でソファーへと連れていかれる。

「や、まとさん……待って」

 私をソファーに下ろした大和さんが、「難しいな」とつぶやいた。すぐに大和さんの唇が唇に重なり、きつく抱きしめられる。

 与えられる熱に応えるだけで精いっぱいで、私はすがるように大和さんの服を握りしめた。

 大和さんがいる。何年も会いたくて、思い焦がれた相手が私を愛してくれている。

 感慨に耽けると、さらに大和さんへの想いが胸に溢れた。
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