秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「もっと君のそばにいたい。知りたいんだ。許してくれないか」

 甘く告げた相良さんが、先ほどのようにこちらに手を差し出した。

 私ももう大人。彼の言葉がなにを意味しているのかはだいたいわかっているつもりだった。

 戸惑いつつも、やはり相良さんを見るたびに胸が息苦しいほど甘美な気分に捉えられる。

 私も猛烈に彼に惹かれているんだ。このまま終わりにはしたくないな。

「……私も、あなたを知りたいです」

 絞り出すように発して、私も再び彼の手に手を重ねた。

 もっと触れていたかった。

 すると、相良さんは嬉しそうに頬を緩ませる。

 私たちは出たばかりのホテルへと戻った。
< 23 / 213 >

この作品をシェア

pagetop