初恋交響楽
Chapter３＊悪い嫁作戦
それから１ヶ月後、わたしの名前は“西尾芽郁”から“大国芽郁”へと名前が変わった。

大国くんと結婚したことを機に、わたしはそれまで住んでいた実家から彼が１人で暮らしているマンションへと引っ越して一緒に暮らすことになった。

それにしても、
「タワーマンションですか…」
と、わたしは呟いた。

大国くんが暮らしているところは、５０階建てのタワーマンションの２１階だった。

窓に視線を向けると、景色がとてもキレイだった。

さすが、老舗百貨店『成田屋』の副社長である。

ものすごいと言っていいほどに金を持っていますな、おい。

心の中でブツブツと毒を吐きながら、わたしは大国くんのために夕飯作りをしていた。

「よし、上出来だ」

テーブルのうえに並べられた夕飯を見ながら、わたしはニヤリと笑った。
< 27 / 100 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop