初恋交響楽
「俺も西尾さんがお見合いの相手だったなんて驚いたよ」

「あら…」

そう言った大国くんに、わたしはフフッと笑った。

ああ、思い出しただけでも腹が立ってきた…。

いくら実家のためとは言え、お金のためとは言え、だんだんと腹が立ってきたよ…。

実家であるケーキ屋『シンフォニア』を潰さないために、彼のおじいちゃんとわたしのおじいちゃんが仲良しだからお見合いをすることになったとは言え、だんだんと腹が立ってきたよ…。

お見合いをすることに関しては別にいいですよ？

実家を助けるための政略結婚に関しても我慢できます。

その相手が１回も会ったことがない人でも、親子ほど年齢の離れた人だったとしても気にしません。

でもね、この状況に関してはさすがのわたしもキレそうですよ…。
< 3 / 100 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop