初恋交響楽
「このスーツにこだわってるって言う訳じゃないし、明日の会議には別のスーツを着て参加をすればいいだけの話だから」

「そ、そう…」

スーツを決めた大国くんはクローゼットを閉めた。

「まあ、そう言うことだから。

そんなに自分を責めなくていいからね?」

大国くんはそう言って、ポンとわたしの肩をたたいた。

「それじゃあ、先にお風呂に入ってくるよ。

今日はお湯の温度は大丈夫だよね?」

「うん、いつも通りだけど…」

「わかった、先に入るね」

大国くんは寝室を後にしたのだった。

その後ろ姿が見えなくなると、
「チキショー!」

わたしは叫んで、その場に座り込んだ。

「何でだ何でだ何でだ!」

作戦は大失敗に終わってしまった。

「よーし、別の作戦を決行だ!」

まだまだ戦いは始まったばかりだ!
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