初恋交響楽
大国くんの質問に、
「まあ、いろいろとね」

わたしは曖昧に笑って返事をした。

「夕飯は?

一応、西尾さんの分も用意してあるんだけど」

「わたしの分?」

「と言っても、コンビニ弁当なんだけど…」

大国くんはハハハ…と、苦笑いをした。

「俺、料理ができなくて…」

大国くんは料理ができないと言うことも寺島さんからの情報だ。

わたしはそれを知ったうえで作戦を練ったのである。

「ごめん、食べてきちゃった。

わたしの分は明日の朝ご飯にしていいし、あれだったら会社に持って行ってお昼ご飯にしちゃってもいいから」

わたしは両手をあわせてテヘッと舌を出した。

「そ、そう…」

大国くんは人差し指で自分の頬をかいた。
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