初恋交響楽
そんなことを思いながら足を踏み入れようとしたら、
「西尾さん?」

聞き覚えのある声に、わたしは視線を向けた。

サングラスをずらして声の主の確認をすると、
「お、大国くん…」

大国くんだった。

仕事帰りなのか、スーツ姿である。

「誰ですか?」

そう聞いてきた野田さんに、
「君こそ誰なんだ!?」

大国くんは怒鳴るように言い返すと、わたしたちに歩み寄ってきた。

「一体、こんなところで何をしているんだ!?」

怒鳴るように聞いてきた大国くんに、
「あなたには関係ないじゃない!」

わたしは何クソと言うように怒鳴り返した。

「ちょっと待て、あんたは一体誰なんだ!?

と言うか、知り合いなんですか!?」

野田さんがわたしに聞いてきた。
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