初恋交響楽
Chapter７＊愛とか恋とか結婚とか離婚とか
作戦実行当日を迎えた。

「いいですか？」

確認するように聞いてきた野田さんに、
「大丈夫です」

わたしは首を縦に振ってうなずいた。

「では、行きましょうか」

「はい」

わたしはサングラスをかけると、野田さんと手を繋いで歩き出した。

そのまま見せつけるようにしながらホテル街へと向かって行く。

カシャッ…

カメラのシャッター音が聞こえる。

「ついてきているみたいですね」

「ええ、ついてきていますね」

コソッ…と、野田さんと小声で話をした。

ホテル街が見えてきた。

ネオンの看板といかがわしい名前のホテルに一瞬だけ顔をしかめた。

本当に用事がない限り、ここへ行きたくもなければ前も通りたくないな…。
< 77 / 100 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop