Crush~いつも君を想う~
そして、今に至る…と言う訳である。

思い返していたら車内にアナウンスが流れた。

次に降りる駅名に、私たちはお互いの顔を見あわせた。

林太郎さんの産みの母の入院先の最寄り駅である。

病院の名前は林太郎さんのお父さんからすでに聞いている。

電車が駅に到着した。

私たちは座席から腰をあげると、電車を降りた。

電車を見送って改札口を出ると、
「何もないね」
と、林太郎さんが言った。

周りは田んぼと山だけで、特に何もなかった。

バス停を見つけたのでそこに歩み寄って時刻の確認をすると、
「もうすでに行っちゃったみたいだね」
と、私は言った。

次にバスがくるのは、18時だそうだ。

これは、歩くしか他がなさそうだ。
< 143 / 200 >

この作品をシェア

pagetop