八木澤くんは不器用に想う
「……安木、意外と髪サラサラだな」
「“意外”は余計です」
「いい匂いもする。
シャンプーの匂いか?
俺も同じ匂いすんのかな」
恥ずかしくて後ろを振り向けないけど、
八木澤くんの声が嬉しそうなのはわかった。
「……安木」
「…はい」
「……さっき公園で言ってた、
“俺だからいい”っていうのは…期待していいの?」
「……」
ドライヤーを一旦切って、八木澤くんが私の髪を撫でる。
思い出すと、本当に自分が言ったのかと疑うほど恥ずかしくて、
八木澤くんに顔を見られないように、三角座りして顔を隠した。