八木澤くんは不器用に想う



「自分が持ってる割れた消しゴムに、なんて書いてある?」



「……“や”って書いて……あ」




そういうことか、と納得して、あ〜!と声をあげた。




「私が消しゴムに“やすき”って書いて、
それを割ったから…」



「だから安木の手にある方に“や”って書いてあって、俺が持ってる方に“すき”って書いてあんの」



「……理解しました」




なんか


そんなつもりなかったのに、入試の時から告白してたみたいで恥ずかしい…。



でもそれで、八木澤くんはずっと私のことを考えてくれてたんだよね。




「八木澤くん」



「……はい」



「今は“やすきのすき”じゃなくて、
“ラブの好き”です!」




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