素直になりたい。
「新大!ごめん。お待たせ。...って、誰?」


一気に血の気がさーっと引いていった。

体温が2、3度下がった。

私は再びふらつき、今度は天羽くんに腕を掴まれた。


「直禾ちゃん、大丈夫?」

「あ、うん」


いや、本当はちっとも大丈夫じゃない。

さ、寒い。

鳥肌が立って、足がぶるぶる震える。

私、一体どうしちゃったの?

疑問は浮かんでも思考が働かず、明確な答えが得られない。

そんな中、彼女が話し出す。


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