青春の花は素顔に咲く

「私から、理事長先生にそういうのをさせないように言うから」
「ダメ!」
「……何で?」
「えと、あの。あたしが自分で言いたい……から」
「そう? ちゃんというのよ、芽以。貴女は言いたいことを言えない子なんだから、心配よ」
「……うん」

 本当に、そうだ。今だって、言いたいことが言えないあたし。
 ぱっと見自由に生きてるように見られるくせに。そうみられるようにふるまう癖に。

「ちゃんと、言うね。ほら、お母さん、ご飯作っておいたから、食べよ? 疲れてるでしょ?」

 早く話題を切り上げたいあたしは、そう言ってお母さんをせかす。

 お母さんは嬉しそうにほほ笑んであたしを撫でた。
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