青春の花は素顔に咲く
「そのせいで、芽以の成績は落ちたのね?」
「ちがうっ! 白銀のせいじゃないっ」
「芽以は優しいからかばっちゃうのよね。わかるわ」
「そうじゃない! そうじゃないよっ。お母さん……」
違う。違うんだよ。
信じて。
あたしを信じてよ、お母さん。
ねえ……?
「あんな子のために、芽以の人生をダメにする必要はないわ。お母さんから、理事長先生にお願いしてくるから」
「えっ、何でそんな」
「だから。芽以はあの子の面倒をやめなさい」
「……なんで?」
「後。あんな子にかかわるのは金輪際よしなさい。今着てる派手な服もあの子の影響なんじゃないの? 芽以は損な服を着る子じゃないでしょう? お母さん、わかってるのよ?」
「……っ」
「芽以は、いい子でしょう?」
「……ちが」
「大丈夫。何も言わなくてもお母さんは芽以のことをわかってる。言えなかったのよね。嫌だって」
「…………」
(違う、違う違うよ……あたし、好きでゴスロリ着てるんだよ? 好きで白銀
といるんだよ!? 何で、決めつけるの……)
何で、あたしは言い返すこともできずに黙ってるの?
どうして? 言いたいことはいっぱい考えてたのに。
「お母さん今から学校に行ってくるわね。芽以はゆっくり休んでて」
「……っ」
止めなくちゃ、と思うのに。
あたしの腕は上がりもしなくて。
ただ茫然と消えゆくお母さんの背中を眺めていた。