青春の花は素顔に咲く

「芽以は一般人よ。巻き込んだらどうするの?」
「それは」
「イケメンアイドルと女の子。それだけでスキャンダルものよ。そんな危険な関係を許せるはずないでしょう」
「でも、お母さん」
「その時は……オレは、引退します」
「!? 白銀、何を言ってるの!?」
「だから。オレは何があっても芽以さんを守ります。だからどうか。傍にいることを承諾してください」
「白銀!? 土下座なんてやめてよ! そんな価値あたしにはないでしょ!?」

 やめて。やめて。
 あたし、あきらめるから。

「大丈夫、あたしはあきらめるし」
「黒野」
「他の人に、変わってもらいなよ、白銀……」
「……黒野。じゃあ、何でお前はそんなにつらそうな顔で泣いているんだ?」
「え?」

(あたし、泣いてるの?)

 言われて初めてあたしがぼろ泣きしてることに気づく。 

 大粒の涙で服までビチャビチャで。
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