王女ちゃんの執事3『き・eye』男の娘、はじめます。
 相手も学生なら、虎をおもちゃにして遊びたい、たいくつな時間は、たぶん一定だろうと踏んだおれたちの勝ちだ。
 だから……
 ――頼む――
 祈りながら半身を起こして、しっかりと床に足をつく。
 虎がスマホを取った。
 おびえている。
 おれにもわかる。
 虎の目がディスプレイを確かめた瞬間、町田が白目をむいてテーブルに倒れていくのを、しっかり両手で受け止めた。
 王女さんの助けがないと知りながら、前線に立った町田。
「ありがとう町田」
 おれ、やるよ。
 ここからは気合いれて、絶対一度で終わらせる。
 だから町田のほうを助けてやってくれよ、王女さん。
 心から王女さんのレスキューを願いながら、気絶した町田の額をなでて、その硬直した身体を床に横たえる。
 苦しめて本当にごめん。
 虎はスマホを握りしめたまま、おれたちを見ていた。
「虎――」
「…………」
 びくっとおれを見上げる虎に差し出す手。
「スマホ、よこせ」
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