真夜中のサイコパス
「し、知らなかった……。

昨日の夜、そんなことがあったなんて……。

私は本当に知らなかった……」


私はつぶやくようにそう言うと、麻衣の目の前で大粒の涙をポロポロとこぼしていた。


一番大切な友達が私のせいで大変なことになっている確信に似た予感が、私の心を責め立てていた。


私のせいで……、私がいるせいで……、私が里山高校の都市伝説を試したせいで……。


「大丈夫、咲良?

ねぇ、咲良?」


麻衣は泣き続けている私を心配していた。


でも私には人から心配される資格がない。


回りにたくさんの不幸をばらまいているのはこの私だ。


みんなを不幸にしているのは私なんだ……。


「咲良にはショックなことだと思うけど、いずれわかることだから教えるね」


麻衣がそう言って切り出した話が良くない話であることはわかっていた。


でも、私はちゃんと現実を受け止めるために、麻衣の話に耳を傾けていた。


「通り魔にあった優子なんだけど、あり得ないくらいひどい目にあったらしいよ。

優子は通り魔に顔を切り刻まれたの。

顔がめちゃくちゃになるくらいに」
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