真夜中のサイコパス
優子を傷つけて、優子の人生をめちゃくちゃにしたことも忘れたかのように、楽しそうに笑いながら話している浜中美澄に、私は心の中で話しかけた。


(どうしてあなたは笑っていられるの?

優子の人生をめちゃくちゃにしたくせに。

拓実君に好かれるのがそんなにうれしい?

他人を傷つけても平気でいられるサイコパスなあなたが大嫌い!)


私の心の声を無視して、私の体を乗っ取っている浜中美澄は拓実と笑いながら話し続けた。


私はそんな浜中美澄から自分の体を取り戻したくて、必死になってもがいていた。


(こんなに悲しいときに笑っていられるあなたが嫌い。

他人を傷つけても平気でいられるあなたが嫌い。

私の言葉を無視し続けているあなたが嫌い。

いつも自己チューなあなたが嫌い。

私はあなたのすべてが大嫌い!)


拓実との会話が終わり、拓実が私の席から離れていったとき、私はようやく浜中美澄から自分の体を取り戻していた。


私は自分を取り戻すことに体力を使ったため、ドッと疲れが襲ってきて、息苦しかった。


浜中美澄に自分を支配されている時間が長くなってきている気がする。


私はこれからどうなるのだろう?


不安ばかりが募る中で、私は強烈な吐き気を感じ、口元を右手で押さえていた。


もう私の恋の成就は二の次だ。


私が本当にやらなくてはいけないことは、浜中美澄と縁を切ること。


もう二度と、私が過ちを犯さないために。
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