真夜中のサイコパス
「どうして私をにらむ、有島咲良。

なにか気に障ることがあるなら言ってみろ」


私は浜中美澄のいつもと変わらぬ高慢な態度に腹を立てながら、彼女に向かって叫んでいた。


「私の友達の優子が通り魔に襲われたの。

優子は顔をぐちゃぐちゃに切り刻まれて、もう学校には来れないって……。

あなたは優子を邪魔者だって言っていた。

優子を排除しなくちゃいけないって言っていた。

ねぇ、答えて。

優子を襲った通り魔ってあなたなの?」


私が怒りにまかせてそう言ったとき、浜中美澄は私をバカにするようにニヤリと笑った。


やっぱり私は浜中美澄が大嫌いだ!


彼女を見ていると腸が煮えくり返るような怒りが沸き上がってくる。


私の人生と優子の人生をめちゃくちゃにしているのは、こいつなんだ。


こいつさえいなければ!


こいつさえいなければ!


「あなたの質問に答えてあげる」


浜中美澄が火傷でただれた醜い顔に、高慢な笑みを浮かべて私に言った。


「あなたの友達、中川優子は恋を成就するために邪魔な存在。

だから私が排除した。

あなたの願いを叶えるために」


浜中美澄が私に言ったその言葉に私の体は震えていた。


優子を傷つけたのは私だとは思っていた。


でも、そのことを真実として告げられたとき、私は自分がしてしまったことが怖くて怖くて、耐えられなかった。


私はどんな風にして優子を傷つけてしまったのだろう?


そう考えると、私は死にたいほどに悲しかった。
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