キミを倒すにはHPが足りてない。







ピピピピ ピピピピ………




けたたましい音量のアラームによって朝を告げられる。


そんな朝を好きになれるわけもなく、私は再び瞼を落とす。




由那(ゆな)!!!いい加減に起きなさい!!!今日から新学期なのよ!!!」




そうして、二度寝した私は母の怒気を含んだ大声によって目を覚ました。



「あーーー!!もう8時じゃない!!お母さん!!何でもっと早くに起こしてくれなかったのよ!!」

「何回も起こしたわよ!!起きなかったのはあんたでしょ!!」

「ひっどーい!!今日は、今日こそは……」



片思いのあの人に告白しようと思ってたのに!!



寝癖を整え、急いで制服を着て、食パン齧ってレッツゴー学校!!



小鳥遊由那(たかなしゆな)、今日から高校二年生。


制服も体に馴染んで、一年前と比べるとかなり女子高生らしくなったと思われる今日この頃。



制服のスカートは三回折るのがジョーシキって知ってた?


シャツのボタンも二番目まで開けると女子高生らしく見えるのよ!



軽く着崩した制服で、走ること15分。


なかなかに近い私の通う白星高校の校門はすでに閉まっている。



あちゃー、これは完全に遅刻だ。

ひょいっと校門を飛び越えて校内に入る。



それから、間違えて去年の教室に入っちゃったけど、慌ててすぐに今日から1年間過ごす予定の2年A組へとやってきた。
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