夕日を纏わば衷に綻ぶ








「…あの。この間は急にすみませんでした」




コト…とテーブルにオレンジジュースを置いた私に、彼は申し訳なさそうな声色で言った。「……え」という声と同時に思わず視線を合わせてしまい、彼の綺麗な瞳に捕まってしまった。




「気持ち悪かったですよね。すみません」

「え、いや……」

「あの方法しか思いつかなかったんです。典型的なナンパみたいになっちゃって、……なんかすげー恥ずかしいです」




ぽりぽりと頬の当たりを掻く指先。1週間前にレジで見たそれと同じで、どき…と心臓が音を立てた。



「……待ってましたか」

「…え?」

「私からの連絡、……待ってましたか?」




そう問うた理由は、自分でもよくわからなかった。

心臓が鳴った意味が分からなくて、それを隠すように彼からの言葉を欲しがったせい、だったのかもしれない。



ぱちぱちと瞬きをした彼が、「その、」と言葉を詰まらせている。心做しか耳が赤く見えるのは私の思い込みだろうか。





「………、待ってました」



────いや、思い込みでは無さそうだ。



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