夕日を纏わば衷に綻ぶ
*
「…あの。この間は急にすみませんでした」
コト…とテーブルにオレンジジュースを置いた私に、彼は申し訳なさそうな声色で言った。「……え」という声と同時に思わず視線を合わせてしまい、彼の綺麗な瞳に捕まってしまった。
「気持ち悪かったですよね。すみません」
「え、いや……」
「あの方法しか思いつかなかったんです。典型的なナンパみたいになっちゃって、……なんかすげー恥ずかしいです」
ぽりぽりと頬の当たりを掻く指先。1週間前にレジで見たそれと同じで、どき…と心臓が音を立てた。
「……待ってましたか」
「…え?」
「私からの連絡、……待ってましたか?」
そう問うた理由は、自分でもよくわからなかった。
心臓が鳴った意味が分からなくて、それを隠すように彼からの言葉を欲しがったせい、だったのかもしれない。
ぱちぱちと瞬きをした彼が、「その、」と言葉を詰まらせている。心做しか耳が赤く見えるのは私の思い込みだろうか。
「………、待ってました」
────いや、思い込みでは無さそうだ。