夕日を纏わば衷に綻ぶ





「、けど、来ないかもっても思ってました。自分があんな突然連絡先渡されても連絡しようなんて思わないし……、気持ち悪がられてたら押すも引くもないかと思ったらようやく決断出来ました」


「何を、ですか?」


「深く考えるのはやめて自分の口でちゃんと言うのが1番わかりやすくて、1番伝わります、よね」




聞かなくてもわかっていた。天堂 夕陽が私に対して何を伝えたいのか、本当は1週間前のあの日の時点で分かっていたのだ。





綺麗な筆跡で書かれたあの名前が忘れられない。


あれが殴り書きだったら。感情の込められていない字だったら。フリガナなんか降らないで、番号だけが書いてあったら。


そうしたら遊びかもしれないと思えたのに。



土日しかシフトを入れない私に会いに来る彼。
私からの連絡を待っていたという彼。

深く考えるのを辞めた彼。



───ついでに私も、ぐちゃぐちゃと色々な可能性を考えるのはやめてしまおうか。




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