エリート御曹司は淫らな執愛を容赦しない~初夜に繋がる結婚事情~
もちろん、私は私なりに理由があって、優雅といてもいいかなって思い始めているわけで。
私を想ってくれる気持ちは本物だし、仕事は完璧なサポートをしてくれる。さらにピンチには駆けつけてくれる。
名前を呼ばれればくすぐったいし、ぎゅって抱き締めるとき、思ったより力が強いのもキュンときてしまう。
って私何を考えてるのよ。すごく優雅のことが好きみたいじゃない。

「愛菜さん」
「ふあ」

急に呼ばれて、我に返る。振り向くとちゅ、と額にキスされた。

「な、なに?」
「僕のことを考えていてくれたんですか? 百面相みたいに表情がころころ変わっていました」

うう、図星だけどそんなこと言いたくない。私は偉そうにソファにふんぞり返った。

「何を言ってるのかしら。あなたのことなんか考えてません。仕事のことです」
「それは失礼しました。うぬぼれが過ぎましたね」

そう言いながら、優雅がゆっくりと覆いかぶさってくる。ソファにふんぞり返った姿勢がまずかった。逃げ場がない。

「ちょっと、優雅」
「そんな顔をされると期待に応えたくなってしまいます」
「何ひとつ期待してない! どきなさい!」

じたばた手足を動かして押しのけようとしてみるものの、優雅の強い力で封じられてしまう。結局逃げ場を失った私は、ソファに押し付けられるようにぎゅうっと抱き締められた。
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