契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「そう、だったのか……」

「ごめんなさい……ちゃんと全部お知らせしておけば、そんな勘違いさせなくてすんだのに」

「てっきり、もしかしたら昔の男の子を身ごもったことがあるのかと。親権は男のほうにあって、久しぶりに子どもに会ってたのかとか。はじめの食事会の時、悪い男に騙されてとか、友達が言ってただろ。そんなことを色々考えていた」


 七央さんの想像力が思った以上に巧みで、そんなことを考えていたのかと思うとつい笑いが込み上げてきてしまう。

 七央さんにとっては真剣に考えていたことだから笑ってはいけないと頭ではわかっているのに、杏莉と成海先生がそんな風に見えてしまったこと自体が私としては有り得ない話すぎて可笑しい。


「何がおかしいんだ」

「え、あ、いや、違うんです。私にとったら絶対にありえないことだから、姪っ子と妹の旦那様がそんな風に七央さんの目に映ったことが可笑しくて──」


 突然、なんの前触れもなく二の腕を掴まれ、くすくすと笑っていた声を呑み込んだ。

 何事かと顔を上げた時には、引き寄せられるようにして目前に七央さんの首筋が迫っていた。

 抱き寄せられて、背を大きな両手に包まれる。


「全然笑えない。俺がどれだけ考えていたかも知らないくせに」

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