契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「あいつにも、言われたよ。ちゃんと伝えないと後悔するって。ほんとお節介」


 昼間、七央さんに会って気持ちを伝えると言った時、晴れやか表情で「頑張ってね」と言っていた美鈴さんの顔を思い出す。

 私の知らない間に、ふたりが何を話したのかはわからない。

 でも、美鈴さんは七央さんが今日私に会って何を話すのか、もう知っていたのかもしれない。

 髪に口付ける七央さんが、擦り寄るように頬を寄せる。


「早く、ふたりきりになりたい」


 急かすような甘い言葉を囁くと、腕を解いて肩を抱かれる。

 七央さんは私を連れてすぐそばのラグジュアリーホテルへと向かい、そのままチェックインして部屋へと向かう。

 すでにここに来ることは段取られていたようで、驚きを隠せないまま客室へと足を踏み入れた。

 ヨーロピアンクラシックの豪華なスイートルームを堪能する間もほとんどなく、ふたりだけの空間が確保されると七央さんは私を背後から抱きすくめる。

 下ろしたボブの髪の隙間からうなじに唇が押し当てられ、「あっ」と反射的にそれらしい声を上げてしまった。


「七央さん、待って」

「待てない」


 即答した七央さんは私の顎を掴み振り向かせる。

 吸い込まれそうな切れ長の目と視線が交わった次の瞬間には、深く唇が重なり合っていた。

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