契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「本当は、ゆっくり食事でもしながら話そうと思ってたけど……契約結婚を解消したいというのは、受け入れてもいい」
抱き締めた腕を緩め、体を離した七央さんと向き合っても、どうしても顔を上げられない。
別れの時が刻一刻と迫っていると実感すると、これまでのことが頭の中で順番に再生されていくようだった。
「でも、佑華。俺はお前が好きだ」
「っ……?」
「気付いたら、いつも考えてる。いつの間にか、気持ちを募らせてた」
思わぬ言葉に息を呑む。
見上げた七央さんは私を真っすぐ見下ろし、瞳の奥までを覗くようにじっと見つめてくる。
「だから、離したくない。これからもずっと、そばにいてほしい」
視界が潤みを増し、揺れる。
あっという間に目頭から溢れ出し、七央さんの親指が拭ってくれた。
「私……最後に、伝えようと思って、今日ここに来たんです。七央さんのことが、好きだって、それだけは伝えようと思って」
「何、最後って」
「だって……七央さんには、美鈴さんが──」
最後まで聞かず、七央さんの腕がまた私を抱き締める。
それ以上は言わせないと言わんばかりに腕の力が強まって、「七央さん?」と呼びかけるので精一杯だった。