契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
下車する東京テレポート駅が迫り、手元の時計を確認する。
予定通り約束の十六時まであと十五分だから、お手洗いに立ち寄って待ち合わせ場所に向かえばちょうど良さそうだ。
何度考えても検討もつかないことだけど、折り入って相談って一体なんの相談なんだろう……?
駅のトイレでメイクのチェックをし、改札へと向かう。
この間の食事会で会ったのが、ほとんど初対面のような関係。
そんな相手に対しての折り入っての相談事とは、私の経験と知識では思い付きもしない。
もしかしたら、何か高額の物を買ってほしいと言われる詐欺とか……。
もしくは、宗教の勧誘?
いや、それとも、独身女性を狙って結婚詐欺なんてこと……!
思い付くことは、ろくでもないマイナスな内容ばかり。
まったくいい風には考えられず、それに比例して約束の場所に向かう足が重くなっていく。
だって、プラスのいい内容になんて頭が働かない。
それだけ、私がこれまで男性との交流にいい思いがなかった証拠なんだろうけど、それにしても酷すぎる。
とにかく、行くと決めたのはル・シャルルでの約束という特典だったからで、自分で了承したことだ。
余計なことは考えないで、桐生さんには素直に感謝しかない。