契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「えっ、あの女性から?」
「はい。宇佐美さんへの感謝の手紙でした」
「え? 私へ、ですか?」
「ええ。あの時、宇佐美さんにちゃんとお礼もできず、連絡先もわからないからと。うちの会社のほうへ手紙を出してくださったようです」
「あの、出産は無事に?」
一番はそこが気になって、何よりも先に質問する。
すると、桐生さんは微笑を浮かべて「はい」と小さく頷いた。
「あのあと、無事に病院で出産されたそうです。元気な男の子だったと」
そんな報告を受けて、肩の力がふっと抜けるような感覚を覚える。
あの時の緊張感が、未だ体のどこか隅のほうにわずかに残っていたのかもしれない。
「良かった……」
ホッとしてついそう呟くと、桐生さんが正面からじっと私を見つめているのに気付いた。
目が合って、桐生さんはまた微笑を浮かべ直す。
「やっぱり、反応が助産師さんですね。気になるところはそこですよね」
そんな風に言われるのは、食い気味にその後のことを質問してしまったからだろう。