契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「その話、乗ってみてもいいんじゃないかなって、私は思うけどな」


 返答に困って黙り込んでしまっていると、佑杏が突然そんなことを言う。

 思わず「へっ!?」素っ頓狂な声を出して反応してしまった。


「いやいやいや、何を言って──」

「だってお姉ちゃん、今付き合ってる人も気になる人もいないんだよね?」

「それは、いないけど……」

「だったら、全然悪くないと思う」

「悪くないって、そんな、無責任な……」

「だって、〝契約結婚〟なんでしょ? 嫌だったら契約解除すればいいんだよ」


 知った口調でそう言った佑杏は、再びお皿を手に取りタルトにフォークを入れる。


「契約解除すればいいって、そんな、会社じゃないんだからさ……」

「相手だってそう言ってたんでしょ? お姉ちゃんの損のないように、都合のいい条件を契約内容に入れてもらっていいって。そんないい話ないと思うよ」


 お願いしているのは自分だから、私に損になるような契約にはしたくない。

 桐生さんは確かにそう言っていたけれど、そう言われたってどんな条件を出せばいいのかなんてさっぱり思い付かない。

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