破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「実はね、この街では斬新料理コンテストってのが毎年行われてるんだ。そのコロッケとやら、優勝できるんじゃないかい?」

(斬新料理コンテスト……)

 斬新というからには、新しさのある料理が求められるコンテストなのだろう。

 それならば、確かに日本の料理を打ち出せば優勝できる可能性はある。

 ただ、どの方向に斬新であればいいのかがわからないので、アーシェリアスは「うーん」と悩んだ。

 その様子を見て、奥さんが笑みを浮かべる。

「五日後に開催されるから、興味があればやってみな。今年の優勝賞品は珍しい食材だっていうし、また新しいコロッケも作れるかもしれないよ?」

 珍しい食材。

 そのワードにアーシェリアスは嬉々として目を見開いた。

「珍しい食材ってなんですか⁉」

「さ、さあ? 何かは当日にしかわからないからね」

 奥さんは、急にぐいぐいくるアーシェリアスに戸惑いながら答えて苦笑する。

「ちなみに、参加できるのは女性のみってことだよ……って、ああ、いけない。そろそろフロントに戻らないと。じゃあ、片付けはよろしくね」

「はい! 教えてくださってありがとうございます」

 奥さんが食堂から出て行くのを見送り、アーシェリアスはコロッケを頬張った。
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