破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
 隣に座るノアもまたコロッケを食べながら首を傾げる。

「どうするの? 珍しい食材だって言ってたけど」

「もしかしたら幻の料理に繋がってるかもしれないし、参加すべきだと私は思うわ!」

 意気込むアーシェリアスを見て、ザックはウスターソースをキャベツにかけた。

「参加するとなれば、来週まではエスディオに滞在か」

「マンゴーも買い足さないといけませんね」

 エヴァンの心配には誰も反応せず、アーシェリアスは再び「うーん」と唸る。

「珍しい食材ゲットのためには絶対優勝しなきゃよね。でも、勝てるかな……」

 不安を零すアーシェリアスを、ノアが覗き込む。

「ボクも参加しちゃう?」

「名案だけどノアは……」

 女性じゃないからと言いかけて、アーシェリアスはハッとなる。

「そうか、確率を上げればいいのね!」

 明るい声で両手を合わせたアーシェリアス。

「確率って優勝のか?」

 ザックが尋ねると、アーシェリアスは強く頷いた。

「そう! そのために、ザックとエヴァンさんにも協力してほしいの」

 瞳を輝かせるアーシェリアスに、ザックは最後のコロッケ咀嚼しながら「協力?」と眉を上げる。

 エヴァンも「味見のか?」と尋ねたのだが。

「参加するのよ、ふたりも!」

 アーシェリアスは頷かず、にっこりと微笑んだ。










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