青薔薇の至愛



私も……そこまで鈍いわけじゃないから、朱ちゃんの言いたいこと、分かってはいるんだけど……。


ひどく緊張して、言葉がでない。


でも、嫌いじゃない感覚が体を走った時、朱ちゃんが私の唇に自分の唇を押し当てた。


クラクラするほど甘い息づかいと、ふたりだけの空間に酔いしれる。


「んっ……」


ひんやりとした冷たい手が、私の腹部に触れるからピクッと反応してしまう。


「あけちゃ、」


「こっち、集中しろ」


「……っ」

「優ちゃん、息吸えよへたくそ」



意地悪な笑い声が聞こえて、体が熱くなった。


さっきまで可愛らしかったキスも、段々雰囲気が怪しくなるにつれて、興奮を含み大人へと変わる。


涙でぼんやりとする視界に、止まらない朱ちゃん。



全部あげる覚悟は出来てるの。


だって全部ほしいから。



私からも欲しいって、合図を送る様に朱ちゃんの首に手を回すと、互いを認識できる程度の暗さの中で目が合って、ひどく酔い潰れそうになった時。



「優」


とびっきり優しい声で名前を呼びながら、私の唇を親指で拭う。



長い間キスをしていたせいで、舌がヒリヒリするし、唇に感覚なんていつの間にか無くなっていた。



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