青薔薇の至愛
うっすらと存在を感じる程度の暗さは、朱ちゃんの声がよく聞こえて心地が良い。
ずっと独り占めしていたい。
朱ちゃんと恋人になって、それだけで幸せなんだって思ってたけど。
まさか、もっと欲しがる様になるなんて。
ドキドキと心臓の高鳴りが朱ちゃんに聞こえてないか不安になって、隠すようにこれでもかってくらい隙間なく密着すると。
急に朱ちゃんが私の手首を掴んで、覆い被さるから一瞬何が起こったのか反応できなくて。
ただ綺麗な顔に見下ろされてることに、見惚れては今にも甘い吐息が漏れてしまいそうだ。
「わざと俺の理性試してんだろ?」
「えっ……?」
「そんなにくっつかれると、手出したくなるわ。」
「……っ」
「さすがの優でも、……俺の言ってる意味分かるだろ?」