青薔薇の至愛
有無を言わせない朱ちゃんに、断る事なんて出来なくてギュッとシワになる事なんて気にせずメイド服を握りしめる。
「着替えるからあっち向いてて……」
「ん」
素直な朱ちゃんがくるりと回って私に背を向ける。
構造のせいか意外と着にくいメイド服に、焦りで余計手が震えて上手く後ろのファスナーを閉められない。
モタついていると、後ろを向いているはずの朱ちゃんがパッカリと開いた背中に触るから驚いて「ひゃっ?!」と声がでる。
「高校生には刺激が強すぎるんじゃないか、このメイド服」
「朱ちゃん~~!!まだこっち向いていいって言ってないよ!?」
「だってモタついてたし、助けたくもなるだろ」
「どうして上手くファスナーが閉められないって分かったの?」
「んー……」
答える気のない朱ちゃんの目線が鏡に向くから、着替えているところ全部見られてたんだとようやく気づいては、声にならない声をあげる。
「キャーーー!!見ないでって言ったのに~~」
「恋人が着替えてたら見たくなるのが男の性だ、気にすんな」
「もおやだ、朱ちゃんのバカ!!」
「それにしても優、やっぱダメだろこんな格好」
「確かにスカートはちょっと短いかなって私は思うけど……皆がこのくらい普通だって」
「別に雪や他の子が短いのはいいとして、お前は駄目だろ。可愛すぎて犯罪級だ、誘ってるとしか思えない。」