青薔薇の至愛




デレッと急に締まりのない顔になる朱ちゃんは、いつもの癖で私の頭を撫でようと手を伸ばしてくるから
これまで我慢していた、私の中の何かが頭の中でブチッと切れた。



「もう、朱ちゃん真剣にーー、」



聞いて!!と、叫ぼうと立ち上がった瞬間。


ズルッとギャグ漫画顔負けの綺麗な滑りかたをしてしまう。


「優!?」と焦った朱ちゃんが私の手を勢い良く引っ張る。


そのおかげで、転ばずに済んだのはいいけど、そのせいで私の体はすっぽりと朱ちゃんに抱き締められていた。



「あ……っぶな。お前急に立ち上がるなよ」


「……」


「ゆう?」



心臓がドキドキ鳴ってる。


朱ちゃんの匂いが、朱ちゃんの胸板が、朱ちゃんの顔がすぐ近くにあって、どこに目を向けていいのか分からない。


顔が熱に悩まされる。


ギュッと目を瞑ると、なにを勘違いしたのか、朱ちゃんは焦った様子で私の顔を覗き込む。



「おい、もしかして熱でもあんのか?
 だから急に変なこと言い出したのか」


「ちがっ、」


「今からお粥作るから、3時間待て」




お粥に三時間って、どういう事?


ツッコミたいけどそれどころじゃない。


朱ちゃん今まで私が言ったこと、熱のせいにしてる。


これ以上踏み込んだら、幼なじみに戻れないことに焦ってるのかな……。


でももう遅いよ。



私もう我慢できないもん。






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