青薔薇の至愛




驚いた。

寝ている相手にラブビーム送った瞬間、返事がくるんだもん。



微睡みの向こう側へいる朱ちゃんが、うっすらと目を開けて私と目を合わせヘラっと笑った。



「……ゆう」


「……」


「今日も可愛いな」



死んだ。


朱ちゃんの一言で私のライフポイントはゼロになる。



「朱ちゃん、お、起きて。
 意識がしっかりしてる時に聞きたい言葉だよ~」


「……」


「あっ、また寝ちゃった」



どうしよう。

今日は休みだから、学校の時みたいに無理矢理起こせないし。


私も一昨日から朱ちゃんの事ずっと考えてるせいで寝不足だし……なんだか眠くなってきちゃった。



「ふぁ~」と欠伸が出た瞬間、急に目蓋が落ちてくる。


駄目だって分かっていても、人間眠気に敵わなくて。
そのまま意識を手放した。







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