青薔薇の至愛
目が覚めたのは数時間後。
誰かに髪を撫でられている感覚に、うっすらと目を開けた。
「んー……」
「起きたか、バカ優」
「えっ?!」
飛び起きた時には、なぜか朱ちゃんのベッドに私がいて。
朱ちゃんはベッドを背もたれにしながら床に座ってスマホを弄っていた。
「朱ちゃん起こしに来たら寝ちゃってたよ~!!
起きたならその時起こしてよ」
「お前、無防備なのもいい加減にしとけ」
「え?」
あ、朱ちゃん、なんだか怒ってる?
スマホ画面を閉じて、床に置いた朱ちゃんがギシリと音を立ててベッドに上がる。
いつもと違う怖い雰囲気に、ドキドキして黙ってしまう。
「誰が男の部屋で腹だして寝ていいつった?」
「お、お腹でてたの。それは恥ずかしい……。
でもでも、だ、だって朱ちゃんの部屋だし」
「お前、俺の事好きなんだよな?」
「えっ?!……そ、そりゃあそうだけど」
本人の口から言われると少し、いやだいぶ恥ずかしい……。