青薔薇の至愛




「わかった、朱ちゃんがそんな煮え切らない態度とるなら……振られたって思っとく」



「振る??俺がお前を??
 ……あのな優、俺にも俺の事情ってもんがだな」


「振った相手に情けは無用だよ!
 とにかく、今日からまた幼馴染みの関係に戻るね」


「……」


「もうバカなこと言わない……」



好きな気持ちは、ずっと持っておくことにする。


いま焦ってもしょうがない事が分かった。



いつか朱ちゃんが振り向いてくれるまで頑張る!



「そ、それじゃあ私、葉純ちゃん達と遊びに行く約束してるから帰るね。お邪魔しました」と、いっぱい好きだの彼女になりたいだの恥ずかしことを言ったから、この気まずい雰囲気から逃げたくてさっさと部屋からでていく。



一人、部屋に取り残された朱ちゃんの、「……生殺しだな」と呟く声に私はいつも気づかない。












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