青薔薇の至愛
それはそう……なんだけど。
やっぱり恋人になりたいし、他の子にとられたくない。
朱ちゃんモテるもん。
だらだらと幼馴染みの関係を続けていたら、年上のお姉さん、話の合う同級生、可愛い年下の子にあっさり持っていかれちゃいそうだ。
チラッと自然になる上目遣いで朱ちゃんを覗くように見ると、キラキラ輝いていて私はもう末期かもしれない。
近づくのが恥ずかしくて、でも攻めたいから
投げた枕を抱き締めながら朱ちゃんを睨む。
「朱ちゃんが付き合ってくれないなら、私男の子とお遊びするから!」
「はあ?ちょっ、なに言ってんのお前。
そんなのダメに決まってーー……」
「じゃあ付き合って」
「……んー」
「ダメなら他の人とあんなことやこんなことするからねっ!」
「ダメだ!それなら俺としろ!!」
「じゃあ付き合ってくれる?」
「んー」
「ハッキリしてよっ!朱ちゃんのバカ!!」
攻防戦が続くなか、朱ちゃんが「はぁ……」と小さくため息を溢す。
私だってしつこい事は自分でも分かっているから、呆れられてもしょうがないって分かってはいるんだけど……。