青薔薇の至愛




それはそう……なんだけど。


やっぱり恋人になりたいし、他の子にとられたくない。


朱ちゃんモテるもん。


だらだらと幼馴染みの関係を続けていたら、年上のお姉さん、話の合う同級生、可愛い年下の子にあっさり持っていかれちゃいそうだ。


チラッと自然になる上目遣いで朱ちゃんを覗くように見ると、キラキラ輝いていて私はもう末期かもしれない。


近づくのが恥ずかしくて、でも攻めたいから
投げた枕を抱き締めながら朱ちゃんを睨む。



「朱ちゃんが付き合ってくれないなら、私男の子とお遊びするから!」


「はあ?ちょっ、なに言ってんのお前。
 そんなのダメに決まってーー……」



「じゃあ付き合って」


「……んー」


「ダメなら他の人とあんなことやこんなことするからねっ!」


「ダメだ!それなら俺としろ!!」


「じゃあ付き合ってくれる?」


「んー」


「ハッキリしてよっ!朱ちゃんのバカ!!」


攻防戦が続くなか、朱ちゃんが「はぁ……」と小さくため息を溢す。



私だってしつこい事は自分でも分かっているから、呆れられてもしょうがないって分かってはいるんだけど……。



< 61 / 208 >

この作品をシェア

pagetop